日本語では、話し手と会話の相手の人間関係が、語彙や表現の選択に大きな影響を及ぼします。言い換えれば、会話の相手によって語彙や表現を適切に使い分けなければならない、それが日本語の大きな特徴です。
人間関係を考えるポイントは大きく分けて2つあります。1つは「年齢と地位」です。そろそろ変化が起こりつつありますが、日本は一応これまで年功序列型社会でしたから、だいたい年齢と地位は比例しています。MISJではこうした人間の上下関係を表す表現として「ELDER/SUPERIOR」および「YOUNGER/INFERIOR」という語を使用しています。
もう1つのポイントは相手との「精神的な距離」です。こちらは次のような語で表します。
INSIDER:話し手が精神的に近いと感じる相手
自分自身および家族は原則常に「INSIDER」として扱います。
OUTSIDER:話し手が精神的に遠いと感じる相手
初対面の大人はすべてとりあえず「OUTSIDER」として扱うのが普通です。
NEUTRAL:話し手自身とも相手とも関係のない人
「ELDER, SUPERIOR, OUTSIDER」には丁寧な言葉づかいをする、これが日本語の会話の基本的なルールです。
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