日本で暮らし、日本で働く、あるいは日本人と一緒に仕事をする場合、できれば日本語でコミュニケーションができるようになってもらいたい、その方が楽だし仕事の効率も上がるに違いないと誰もが思っていると思います。日本語は案外学習しやすい言語なので、そういう状況を作り出すことはそれほど難しくありません。しかし、外国人とうまく共存していける社会を作ることはそう簡単ではないように思われます。そうした社会を実現するためには受け入れる側である私たち日本人にも、それなりの理解と努力が必要だからです。
外国人にとって日本語はあくまでもコミュニケーションの道具です。いくら日本語が上手に話せるようになっても、それぞれが母国の文化を背負って生きているという事実は変わりません。学習を通して日本人のメンタリティーを理解することはできても、100%共有することは期待できませんし、するべきでもありません。私たちはそのことを明確に自覚しておかなければなりません。
とかく日本人は欧米人には寛容でそれ以外の外国人、特にアジア人には厳しく接しがちです。端的に言えばコンプレックスの裏返しであり、差別意識の現われです。無意識のうちにもっているこうした感情に気づくこと、それだけでも外国人との間に生じがちな誤解の種を最小限に止めることができます。
日本に来て働く誰もが幸せと感じられるような社会を築く努力が必要です。
TOPHOME
|