日本語の話し言葉
日本語の話し言葉は大きく分けて3種あります。
口語 :家族や親しい仲間同士での会話に使う
丁寧語:初対面など、あまり親しくない人との会話に使う
敬語 :自分よりも年齢や地位が上の人との会話に使う
日本語の会話の特徴は、話す相手によってこの3種を使い分ける、したがってこの3種すべてが理解できないと日本人同士の会話は理解できない、また適切に使い分けられないと人間関係をいい形で維持できないという点にあります。
さて、この3種のうち、もっとも学習が困難なのはどれだとお思いになりますか。
実は口語がもっとも難しいのです。次のQ&Aをごらんください。
例
Q:きのう行った?
A:ううん、行かなかった
Q:あしたは行く?
A:ううん、あしたも行かない
このように、口語の会話をこなすためには「行く・行かない・行った・行かなかった」のように動詞を活用させる能力が必要なことがお分かりいただけるかと思います。
外国人と話しをするとき、相手の日本語がたどたどしいと、できるだけやさしく、分かりやすくとつい子供に対するように口語で話しかけてしまいがちですが、実はどんどん難しく、分かりにくくしているということになります。
次に丁寧語ですが、丁寧語も実は2種あります。
1.〜ます
例
行きます・行きません
行きました・行きませんでした
2.〜んです
例
行くんです・行かないんです
行ったんです・行かなかったんです。
それぞれ会話のなかでは大切な役割を担っているので、どちらの表現も学習しなければ日本人同士の会話を理解することができないのですが、「〜ます」の方は動詞の部分は不変で「ます」の部分を変化させるだけなのに対し、「〜んです」の方は口語と同様動詞を活用させる能力が必要であることがお分かりいただけるかと思います。つまり「〜んです」を使った表現の方がずっと難しいということになります。
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